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ビジネス日本語研究会 第15回研究会報告(2015.6.12)

「社会や組織に新たな価値を創造するグローバル人材育成の取り組みとは」〜2つの事例を通して〜

2015年6月12日に第15回ビジネス日本語研究会が開催されました。まず,研究会に先立って,2015年総会が開催され,2014年度事業報告・会計報告,2015年度事業計画について報告し,承認をいただきました。

続いて,研究会を開催しました。

今回は「社会や組織に新たな価値を創造するグローバル人材育成の取り組みとは」2つの事例を通してーというテーマで、まず,東北大学グローバルラーニングセンターの田口香織さんに,地域の老舗百貨店における外国人留学生のインターンシップの取り組みを通して,留学生自身の学び,百貨店組織内の国際化,地域の国際化への広がりの事例について報告をしていただきました(スライドのPDF)。具体的な内容としては,下記の各項目でした。

  • 東北大学の現状
  • 留学生支援に関する地域の課題
  • 企業との連携のきっかけ
  • 百貨店国際化プロジェクトの概要
  • 地域連携を発展させるポイントと今後の展開

また,お話の中で,特に印象に残ったのは,以下の4点です。

  • 地域連携によって大学が提供できる価値とは何か
  • 企業連携の際に,企業側の窓口としてどこをターゲットとすればよいか
  • 大学としての連携のメリットをどう考えるか
  • 地域社会との連携のために継続性をいかに確保するか

続いて,会員の長崎ウエスレヤン大学の齊藤仁志さんに,ビジネス日本語教育と多文化共生というテーマで事例報告をしていただきました。具体的には,地域の中小企業家同友会と教員,学生が連携を図り,以下の各点をねらって取り組んだ事例でした。

  • どのように大学のfaculty developmentを図っていくか
  • どのように学生の学びを活性化していくか
  • どのように地域を活性化していくか

さらに,中国・韓国・台湾の大学との相互海外インターンシップの設計において,国家資格枠組み(National Qualifications Framework:NQF)をどのように活用していくかという事例や,Project Based Learningを通した地域活性化活動の報告もありました(スライドのPDF)

今回の研究会では,「語学としてのビジネス日本語教育」から,広い意味でのコミュニケーションの活性化や学びの活性化を,地域レベルでどう考えていくかということへのシフトが必要なことに,改めて気付かされました。同時に,地域社会における大学の役割についても,改めて考えさせられました。昨今,特に国立大学を中心に,人文系学部の存在意義が問われています。ですが,その議論は往往にして,学生に何を教えるか/学ばせるかというteachingの発想が前提になっているように思います。学生の学びから地域の学びへの広がりを考えたとき,大学教育,そしてビジネス日本語教育がどのように貢献できるのか,さらに議論を深めるとともに,さまざまな実践事例を生み出していく必要性を感じました。

報告者:堀井惠子・神吉宇一

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