ビジネス日本語研究会 第20回研究会報告(2017.03.01)
ビジネス日本語教育研究・実践発表
~ビジネス日本語教育研究・実践の“今”~
2017年2月17日(金)第20回ビジネス日本語研究会が開催されました。今回は研究会当日までお申し込みが続き、最終的に、会員・非会員・幹事を含め80名を超える参加人数となりました。ご参加の皆様には、ご案内や受付、全体の進行等手が回らずご迷惑をおかけしたところがあったかと思いますが、ビジネス日本語教育を一緒に盛り上げていく多くのお仲間にお目にかかれたことは、研究会にとって大きな前進だと思っています。
まず日本漢字能力検定協会様による今年4月開始のBJTのCBT方式(Computer Based Testing)についての説明がありました。以下の変更でより手軽に受験ができるようになるとのことでした。
- 自分のスケジュールに合わせて受験できるようになる
- 国内・海外ともに実施地が増加する
- 受験日の前日まで申し込みことができる
公式ウェブサイトでサンプル問題を見ることができます。
次に、ビジネス日本語教育の実践が8本のポスター発表を一斉に行いました。
まず、どの発表がどこで行われるかがわかるように、発表者に簡単な発表の内容を説明していただいてから、約1時間参加者は自由に発表ポスターを尋ねて質疑応答や議論を行いました。最後に、各ポスターで行われた議論内容の報告や補足説明を各発表者にして頂きました。
ポスター発表は以下の8本でした。
- 池田 ゆかり・菅原 裕子(NPO法人 日本語教育研究所)
- SKYPE を利用したオンラインレッスン講師養成の実践例
- 梅田 千砂子・渡辺 若菜・伊藤 俊也(立命館アジア太平洋大学)
- 寮生活支援者(RA)としての経験が社会人基礎力向上に与える影響
- 王 樹(武蔵野大学大学院生)
- 日本企業に従事する中国人社員と日本人上司のコミュニケーションに関する研究 ― 上司によるネガティブ・フィードバックに着目して ―
- 大谷 崇(日本ウェルネススポーツ大学)
- 企業は日本語教育に何を求めているか ― 企業アンケートおよびインタビュー調査の結果から ―
- 影嶋 知香子(横浜デザイン学院)
- 留学生はインターンシップで何を学んでいるのか ― 実施報告書とインタビュー調査から見えてきたもの ―
- 鄭 穎(武蔵野大学大学院生)
- 中国人学習者の終助詞「よ」「ね」「よね」のイントネーション産出 ― ビジネス会話への示唆を考える —
- 古川 嘉子(国際交流基金日本語国際センター)・田中 和美(国際基督教大学)
- ビジネス日本語教育での言語教育プログラム可視化テンプレートの利用
- 言語教育プログラム研究会HP
- 可視化テンプレート・ダウンロード可・使用後に一報を入れてほしいとのこと。
- 李 瓊(武蔵野大学大学院生)
- 中国人日本語学習者における日本語複合動詞の習得についての調査 ― ビジネス文書への示唆に向けてー
そして、参加者の声として、以下のようなコメント(一部抜粋)をいただきました。
- 一般の方だけでなく大学院生の発表も聞けて大変勉強になりました。
- ポスター発表時に積極的に質問や意見が交わされていて、とても勉強になりました。
- 実践の結果、成果の発表が多く、大変勉強になりました。
- どれも留学生にビジネス日本語を指導する現場できになる、気が付くことばかりでいい刺激になった。
- ポスター発表の種類が増え、参考になりました。
- ポスター発表でいろいろな事例が聞けて勉強になりました。
- 発表させていただいて励ましや共感を得られました。実践と研究のエネルギーになりました。(他1名)
- 多くの取り組み、研究を知ることができました。ポスター発表の形式は初めてでしたが、面白かった。皆様の日本語を教える熱意も感じました。
- 最後のディスカッションの時間がユニークで面白かったです。とてもいいと思いました。
次回のビジネス日本語研究会は6月2日(金)ベトナム・ハノイでのビジネス日本語教育国際研究大会となります。秋の研究会は10月28日(土)に京都での開催を予定しております。そして、2018年も2月頃を目処に今回のようなビジネス日本語教育の実践研究や実践紹介を共有し議論できる場を作る予定です。
現場での実践研究や紹介はもとより、大学院でビジネス日本語を研究していらっしゃる学生の皆様の研究発表の場としても盛り上げていきたいです。次回もまたたくさんのみなさんのご参加をお待ちしております。
入会希望者も随時募集しておりますので、新年度になるこのタイミングでぜひご検討ください。
報告者:倉本文子