ロゴ
 
紹介
お知らせ
活動
参考文献
入会申込み
口座情報
掲示板
 

ビジネス日本語研究会 第22回研究会報告(2017.10.28)

2017年10月28日(金)に京都の八坂神社の横にある漢検漢字博物館の中にあるセミナールームをお借りして、第22回ビジネス日本語研究会を開催しました。 

今回の研究会では、ビジネス日本語プログラムに関わる全員がその全体像を共有し、プログラムの目的達成の為に用いることができるコミュニケーションツールの形を探ることを目標に、言語教育プログラム研究会にご協力を頂き、可視化テンプレートを通してその可能性を考えました。

    言語教育プログラム研究会HP

    まず言語教育プログラム研究会の鈴木秀明氏(目白大学)より「言語教育可視化テンプレートの可能性と課題」というテーマで、「プログラム視点の重要性」が語られました。

    「様々な分野の人達との協働が不可欠になっている現在、立場によって物事の捉え方が異なる場面で問題の所在を正確に認識し、対話を通して、解決策を探っていくことが重要になっている。その際に道具や枠組みを用いることによって、円滑な対話や有益な議論を進めることが可能になる。」

    といったプログラム論の視点からの示唆があり、教師養成課程での学習・現職者・FD研修・地域日本語教育コーディネーター研修等の現場での実践例があげられました。

    会場写真

    つぎに、ビジネス日本語研究会の品田より、ビジネス日本語プログラムにおけるテンプレート記入事例の報告がありました。

    • *関係者間の意思疎通を円滑にするための課題の検討ができる
    •  
    • *ある程度自覚している課題を再認識できる
    •  
    • *自分の立場と役割を確認できる

    等の記入しての所感が上げられ、 ビジネス日本語プログラムにおいては、課題の洗い出しよりコミュニケーションツールとしての方が有効ではないか。そのためにはプログラムに関連する人物の関係性を示す等テンプレートの工夫が必要ではないか。という提案が出されました。

    当日発表PPT

    そして、それまでの話を踏まえて、事前課題のテンプレート記入をしたグループと記入できなかったグループとに分け、本研究会と言語教育プログラム研究会のメンバーが1名ずつ加わって、記入したテンプレートの紹介や記入して感じた課題を共有し、ビジネス日本語教育プログラムにおけるテンプレートのカスタマイズについて議論しました。

    会場写真

    最終的にビジネス日本語プログラムでのテンプレートの明確な姿を見出す前に時間切れとなってしまいましたが、ビジネス日本語プログラムに関わる人物の立場や理解に、テンプレートの内容が影響を受けることがわかりました。また、企業の人事や機関の上部など、日本語教育以外の人物向けに日本語教育の専門性を説明するための語彙や表現の定義の見直しと、それらを少ない手間で記入できるようなテンプレートの工夫が求められることも見えてきました。

    ・抽象化した枠組みとして、このテンプレートはとても有効だと思います。立場がちがうと書きにくいという声がありましたが、それぞれの立場から書けるところを書いて可視化するツールとして利用すればよいのではないかと思います。

    ・一人でテンプレートを書くとなると、どうしても自分が把握できる小さな単位(一つのクラスのシラバスなど)での可視化しかできないと思います。ですから、複数の人で話し合う道具として使えば、非常に効率良くお話ができると思いました。例えば他の日本語の先生とどういった方向に進めていくのかを相談しながら欄を埋めていくことにより目的等を一つにできるよいツールだと思いました。

    等と言った声が集まりました。 今年度最後となる次回のビジネス日本語研究会は、2018年2月23日(金)18:00からとなります。この1年の実践研究発表が集まる場になる予定です。ぜひお集まりください。

    報告者:倉本

        Copyright © Business Japanese Group