2021年度研究会

第32回研究会報告(2022.2.19)

2022年2月19日(土)、オミクロン株の猛威に鑑み、会員限定のオンラインにて第32回研究会を開催しました。

第32回研究会のテーマは「仕事で必要な語彙をどのように学ぶか」でした。

最初に、事例紹介として「企業と留学生が協力して作る語彙学習教材」というテーマで、ビジネス日本語研究会副代表幹事・神戸学院大学教授の栗原由加先生にご講演いただきました。コロナ禍で従来のような勤務型のインターンシップが難しくなったため、留学生が企業に足を運ばなくても可能な研修として語彙教材を作成した、というお話でした。語彙を暗記するのではなく、企業の要望に耳を傾けながら教材を作ることにより、生きた語彙学習が可能になったという貴重な実践でした。

パネルセッションでは「外国人社員の語彙学習について考える」というテーマで、株式会社ソルテック工業の皆さまにご登壇いただきました。「語彙だけ取り出して覚えるのではなくコミュケーションの中で日本語を学ぶことが大切」「就活は大変だけれど成長のチャンスでもある」という貴重なお話を聞くことができました。

研究発表も2つありました。

テーマ:外国人材の活躍の支援と教育
■奥村聡美さん(東洋大学)
グループディスカッション体験を活用した留学生の実践就活日本語

■住吉尚子さん(ARC東京日本語学校)
  ハイブリッド授業における外国人材の支援-ケース学習からの学び-

また、パネルセッションと研究発表の間には、Web会議システムの機能を利用した小部屋(ブレイクアウトルーム)で、講演者やパネルセッションに登壇された企業の方と参加者が交流する時間を設けました。直接意見を交わしたり、質疑応答したりができて大変好評だったようです。

今回は、約100名の会員の皆様にご参加いただきました。当初予定していた申し込み人数を超過したため、急遽定員を増員するなど、ビジネス日本語教育への期待と熱意を改めて感じた第32回研究会でした。
最後に、研究会からの報告として、令和3年度文化庁研修「就労者に対する日本語教師【初任】研修」が74名の受講生を対象に修了したこと、また、BJジャーナル6号の募集開始についての案内がありました。

(報告:戸田公人)