第41回研究会報告(2026.02.28)
2026年2月28日(土)に、第41回研究会をオンラインにて開催しました。
第41回ビジネス日本語研究会では、「外国人労働者受け入れ現場の諸状況を考える」をテーマに開催しました。企業現場からの率直な報告と参加者同士の活発な議論を通して、外国人材受け入れをめぐる課題を多角的に捉え直す機会となりました。現場ごとに異なる状況や前提を共有しながら、今後の日本語教育や支援の在り方をともに考える有意義な研究会となりました。
【趣旨説明】
堀井惠子氏(ビジネス日本語研究会幹事、武蔵野大学名誉教授)
政府の観光立国政策や外国人労働者受入れ拡大を背景に、共生社会実現に向けた課題が顕在化していること、外国人問題と問題外国人を区別し受入れ側の制度や支援体制を見直す必要があること、さらに就労現場の実情を踏まえた日本語教育の課題を整理し、「生の就労現場を知ること」が大切であると趣旨説明がありました。
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【報告・話題提供】
品田潤子氏(ビジネス日本語研究会幹事・BPC研修サービス代表)
テーマ「就労分野の日本語教育について」
2019年の特定技能制度開始および2027年施行予定の育成就労制度を背景に外国人材の受け入れが拡大する一方、制度が移行期にあることや在留資格・日本語要件の変化、学習者や就労環境の多様化、さらに多様なステークホルダーの関与により、情報共有や実践交流が容易ではないという課題が示されました。こうした問題意識のもと、より開かれた形で実践や教材開発の成果を共有する場として「就労分野の日本語教育フェア」を開催した経緯、パネルセッションや展示発表を通して多様な立場の取り組みを可視化できた成果が報告されました。
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【パネルセッション、ディスカッション】
テーマ「外国人労働者受け入れ現場の諸状況」
司会 栗原由加氏(ビジネス日本語研究会副代表幹事・神戸学院大学 教授)
株式会社千代田精機 総務部 総務課 課長 坂井文彦氏
ダイナックス工業株式会社 経営企画室 室長 濵口卓也氏
まず、外国人材の受け入れを行っている企業の方々から、現場で抱えている課題について率直にお話いただきました。外国人社員が感じる「空気を読む」難しさや、日本文化を前提とした日本人社員との相互理解の課題などが挙げられました。
これを踏まえ、参加者は9つのグループに分かれてグループディスカッションを行いました。その後、メインルームで各グループの議論内容を共有し、司会者とパネリストのお二人との間で意見交換が行われました。グループディスカッション及び意見交換の中では、以下のようなポイントが話題となりました。
・意思疎通の課題と対策
・コミュニケーション円滑化のための具体的なアプローチ
・企業に求められる姿勢と制度設計
・日本語教育の現状と課題
最後に司会者から、今回の議論に明確な正解や結論はないが、現場ごとに異なる「当たり前」に気づき、共有し、理解を深めていくことが大切であり、今後も企業の声や教育の実践、さまざまな経験や意見を持ち寄りながら、よりよい形を一緒につくっていきたい、とまとめがありました。
【研究発表】
テーマ:外国人材の活躍の支援と教育
■吉田佳純(阪奈中央リハビリテーション専門学校)、石丸春奈(阪奈中央リハビリテーション専門学校)
特定技能ビザで働く介護職員と日本人職員が共に働きやすい職場を目指して-日本語教員によるサポートの取り組み-
就労外国人の増加や受け入れ制度の変化により、日本語教育の現場でも対応の幅が広がった2025年度は、日本語教育関係者にとって、企業現場との連携や実践的な日本語教育の在り方が改めて問われる一年となりました。皆さまご多忙の中、今回も60名近い方々にご参加いただきました。ご参加くださった皆さま、ご登壇いただいた皆さま、どうもありがとうございました。
(報告:内田さつき)