2025年度研究会

台湾国際シンポジウム2025 「多文化共生社会と言語教育」 報告

アジア人材還流学会は看護と介護の日本語教育研究会、協働実践研究会、そして、ビジネス日本語研究会の3研究会のコラボにより、これまで、バンドン(2018)、ハノイ(2022)、フエ(2023)で学会を開いてきたが、台湾交流協会の助成を受け、義守大学日本語研究センターが台湾側の主催となり、2025年2月24日(月)、台湾高雄においてシンポジウムが開催された。参加者は86名。

義守大学 古源光学長、義守大學國際學院 蔡明智院長、日本台湾交流協会高雄事務所奥正史所長のあいさつの後、以下の3つの基調講演が行われた。

・戸﨑典子(株式会社アルプスビジネスクリエーション) 「外国人社員の定着と職場の環境づくり支援への取り組み」
・王珠恵(亞智威信有限公司 Asian Wise Co.) 「超高齢化社会を見据えた日台の介護人材の育成と還流について ―2015 年までの介護育成と還流は 2024 年からさらに続く―」
・林明佳(國家教育研究院課程及教學研究中心/国家教育研究院課程教学研究センター) 「淺談臺灣十二年國教語文教育的方向與建議 台湾の「十二年国民基本教育」における言語教育の方向性と提言」

その後、昼食をとりながら、前半後半に分かれて30組のポスター発表、そして、6教室に分かれて24の口頭発表が活発に行われた。

最後は、ウォーカー泉(シンガポール国立大学) 「シンガポールにおけるビジネス日本語教育―多文化共生社会における成長戦略―」、西郡仁朗(東京都立大学) 「多分野の連携・協働が求められる介護の専門日本語教育 ―育ちつつある人材・指導者―」、羅暁勤(国立台中科技大学) 「ケースメソッド教授法による異文化理解への促進 ―コンパッショネイトシステムの役割―」によるパネルディスカッションが参加者によるグループディスカッションを含めモデレーター堀井惠子(武蔵野大学名誉教授) により行われた。そして、義守大学応用日本語学科長 楊佩蓉、アジア人材還流学会国際シンポジウム2025運営委員長 堀井惠子によるあいさつで閉会となった。

台湾という土地柄か楽しい雰囲気が漂い、「多文化共生と言語教育」というタイトルでアジアの大学と3つの研究会のコラボによる、台湾高雄でのシンポジウム開催の意義はあったのではないだろうか。
終了後は、大学から配布された無料券を使って併設されている遊園地にある観覧車に乗って 高雄の夜を眺めたり、ショッピングセンターやホテルの台湾料理に舌鼓を打った参加者が多かった。

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